モンスターと、サイボーグと、その間に―イ・ブル展

六本木にある森美術館で開催中のイ・ブル展に行ってきました!

森美術館は夜遅く(22時)までやってるのがいいね。
仕事が終わってからでも大丈夫だね。
そんな美術館がもっと増えるといいんだけどね。

余談だけどイ・ブル展には床がガラス張りのとこがあるのでミニスカートとかで行かないほうがいいですよ!!(2012/2/7追記)

特にイ・ブルさんのファンというわけでもなく、ふらーと行ってぐるうりと観てふぁーと帰ってきた感じです。
それにしても最近はビーズとかガラス玉だとかきらびやかなパーツを持った作品というのに最近は惹かれているような気がします。清川あさみさんの、写真に直接ビーズを縫いつけていくのとか。写真と刺繍がお互いにお互いを引き立ててる感じがしていいなって思う。

さて、本題です。
初めて観た時、観ている時、観た後に分けて書いていこうかと思います。
観に行くつもりの人には自分の感想を持ってほしいので、とりあえず行く予定がある人は読まないでください。
行ってからか、会期が終わってから読んでね!笑
ちなみに私は素人です! 以下は全くの個人の感想です! ただ、間違いがある場合は指摘してほしいです!

  • 初めて観た時

入り口を入ってすぐの作品は、大きなうねりのある土偶のようなずんぐりむっくりとしたものが天井につるされている。簡単に言って白と赤と黒とひとつずつ。なんか臓器っぽいなーっって思った。(「切望」
「あぁすごいなこんなの私には作れないな」「あーこれ布なんだー」ってあっさりめの感想だったんだけど、観てたら脚とか腕とか生えてる…。「うわっ!」ってなった。でもみんなあっさりとここは通って行かれてました。脚とか腕とか気付いたのかな?
展望台メインなカップルも多かったように思ったけど気にしないのが吉。

  • 観ている時

なんかね、「サイボーグ」シリーズっていって脚や腕が欠けてる(頭はみんな無い)作品が置かれてたり吊されてたりするんだけど、語弊があるかもしれないけど「これ、日本のアニメの影響受けてるんじゃない? ていうかそのものじゃない?」って思った。シリコンで作られてた2体はなんかどっかで見覚えが…っていう感じで(実際は無いんだけどね)。
あと一部のスケッチとかも『ハンター×ハンター』っぽい?って思ったりとか。これはまさに個人の感想だけど。
でもそれも韓国の歴史に関係してて、日本のカルチャーが受け入れ始めた時にそういう作品を作ったようですね。
うん、全体的に「社会性」が優先されているような印象を受けました。中でも「雪解け」はあるものを作品の中に見つけた時は驚いて組んでた腕に力はいった。…組んでたっていっても自分の腕だよ(涙)
この展示会を通して一番ハッとさせられたのはそれかな。外側はすごく私好みなのに、中に入ってるのが…。

あと印象的だったのは「カラオケ・ポッド」。あれ、乗ってみたい。でもあの中でヒトカラとか寂しすぎる。カラオケは本来は何人かでやるものだけどカラオケ・ポッドのような一人しかいられないようなところでそれをやるっていうのは「個へ入っていく」ということも表現してるみたい。
実際には乗れないのでプロジェクターでカラオケの映像が流れてるんだけど、これは敢えて薄っぺらいというかどんな曲にでも合うというかバックに流れても不自然じゃない、フォントも工夫されてないみたいだよ。大衆化というような?
本当にそうだったなー。力を入れない方向で入れてるっていうか。うーん、ちょっと違う感じもするけど。

あと、スタジオ(アトリエみたいな)のスペースは重要だよ!
後から観ることになる作品の模型(?)もたくさん置かれてるから、注意深くどうぞ。

  • 観た後

観ている最中は、たぶん会場のスペースを十分にとってたからなんだけど、ものたりないというか何がそこまで評価されるんだろう?っていう何様だよって感じのギモンを持ち始めていたのでした。
でも出口出てから「もうちょっと観ればよかったかなー」とか思っちゃった。

  • (強引に)まとめ

頭の中がすっきりというか、リセットされた感じがしました。
自分の抱えるモヤモヤはあるけどさらに上を行くモヤモヤ加減。
悪い意味じゃないよ! それを探ってるうちに元あったモヤモヤが薄まるって話。


  • 追記(2012年2月7日)

眠くなったから書くのやめちゃったー。よく眠れた!ていうか見直したら眠さの中で書いた感じがよくわかる…。
これだけ、書いておかなきゃ!と思ったこと。
顔がないのはアイデンティティの喪失? エゴの喪失? どちらでもない?
喪失なのか手放したのか元々なかったのか。

あとから振り返るとやっぱ印象に残るもの作ってると思う。
実際に目にしてすぐ伝わるものは限られてる。
薬飲んでもすぐには病気が治らないように、作品見てもすぐには感じられない効用があるんだよね。
(利かない薬もよくないクスリもあるけど…)

あと、展示室内が美術室のにおいがして面白かった。素材のにおい。

あと、暗い展示室から明るい展示室に行く時、キュレーターさんというか美術館の人が椅子に座ってたんだけど、そのシルエットが美しかったなー。横向きの。

それにしてもオフィシャルサイトの写真がきれいすぎる。
美術展の紹介とか広告に使われた写真展が観たいなー。


イ・ブル展 私からあなたへ、私たちだけに
http://www.mori.art.museum/contents/leebul/index.html